TeXを利用したレポート作成に関して

ここでは,TeXを利用したレポート作成のための

1.スタイルファイルを利用した書き方

2.BibTeX(参考文献の参照用ファイル)の使用方法

に関して説明する.


[注意事項]

1.立命館大学 情報理工学部 知能情報学科の学生の方へ
以下に紹介するスタイルファイルを使用してレポート作成を行ってください.
もし何か疑問,トラブルなどがあった場合には渡邉までメールしてください.
2.上記以外の方
本サイトで紹介する事項は全て上記の「1.」の学生のためです.紹介するスタイルファイルなどの使用により生じた,いかなるトラブルについても責任は負わないこととします.

1.スタイルファイルを利用した書き方

以下より実験レポート用のスタイルファイルをダウンロードすること.

なお,SHIFT-JIS(Windows環境用)とEUC(Linux)環境用の2種類用意してあるので,自分の環境に合わせてダウンロードしてください.それぞれのマークをクリックするとダウンロードできます.

スタイル
更新日
ダウンロード
実験レポート
2006.04.11

ダウンロードファイルには,「sample.tex (TeXファイル)」「jikken_report.sty(スタイルファイル)」「eps/graphic_data.eps(画像ファイル)」の3つのファイルが含まれている. サンプルファイルをPDF化したものはここからダウンロードできます.

1.1 実際の記述方法について

本レポートのようにスタイルファイルを使用する場合,参照するTeX ファイルと同じディレクトリもしくはTeX コンパイラの参照パスが通っている場所(c:/tex/share/texmf/ptex/platex/base/, デフォルトでインストールした場合のフォルダ)に使用するスタイルファイルを置いておく必要があります.

以下に,サンプルファイル(sample.tex)の先頭部分を載せておきます.

\documentclass[a4j,titlepage]{jarticle}
\usepackage{jikken_report}
\begin{document}
%--------------------
%以下に実験レポートのタイトル,自分のクラス名,学籍番号,氏名,提出日を書く.
%--------------------

%%\title{レポートタイトル(実験テーマ名)}を記述する.
\title{2006 年度知能情報学実験1レポートの書き方について}

%%\author{クラス名}{学籍番号}{氏名}を記述する.
\author{D ○クラス}{123456789-0○○○○}{立命 太郎}

%%\date{提出する年月日}を記述する.
\date{2005 年6 月16 日}

\maketitle

ここから本文が開始

TeXでは,%以下の内容は無視されます(上記で赤く色づけされている部分は実際の文章に全く影響しない部分).

コマンド名 説明
\usepackage 使用するパッケージを記入.
\begin と \end beginで始まりendで終わる命令を環境という.
\begin{document}は,LaTeXの文書の始まりを意味するものであり,\end{document}後には何を書いてもLaTeX文書としては無視される.
\title レポートのタイトルを記入.
\author 提出者情報を記入.具体的には,{クラス名}{学籍番号}{氏名}をそれぞれ記入.
\date 提出日を記入.

1.2 画像について

サンプルファイル(sample.tex)の画像出力部分を示します.

\begin{figure}[htbp]
\begin{center}

\includegraphics[width=0.7\linewidth]{eps/graphic_data.eps}

\end{center}
\caption{図形}
\label{fig::graphic}
\end{figure}

画像出力には様々な方法がありますが,ここではincludegraphicsを使用した例を示しています.

「width=0.7\linewidth 」は,画像幅を「ページ横幅×0.7」の大きさに設定することを意味しています.他にも,具体的な数値「width=3cm」といった指定も可能.

また,\label{ラベル名}はこの図形を自動参照するためのラベル付けです.図を参照する場合には,このラベルを参照して\fgref{ラベル名}と記述します.この場合の例では,\fgref{fig::graphic}となります.

なお,図におけるキャプションは必ず図の下につけること.

1.3 表について

以下に,サンプルファイル(sample.tex)の表出力部分を示します.

\begin{table}[tbp]
\begin{center}
\caption{Problem Instance.}
\label{tb::example}

\begin{tabular}{ccccc}
\hline
Problem & $N$ & $W$ & $\bar{w}$ & $\sigma (w)$\\
\hline \hline
tai75a & 75 & 1445 & 183.4 & 242.9\\
tai75b & 75 & 1679 & 198.7 & 273.4\\
tai100a & 100 & 1409 & 152.0 & 201.5\\
tai150a & 150 & 1544 & 145.54 & 200.7\\
\hline
\end{tabular}

\end{center}
\end{table}

基本的には,図における場合と同様に\begin{table}[htbp]により表の文中での位置を決め,\label{ラベル名}で表のラベル付けを行います.

また,表を参照する際には\tbref{ラベル名}と記述します.この場合の例では,\tbref{tb::example}となります.

なお,表におけるキャプションは必ず表の上につけること.

2.BibTeX(参考文献の参照用ファイル)の使用方法について

BiBTeXを利用することにより,論文やレポートを作成する際の参考文献一覧を作成する労力をかなり軽減することができます.

具体的には,参考文献となるデータを「.tex」「.sty」とは別に「.bib」という形式で用意してやる必要があります.

Bib TeXを利用した場合のサンプルファイルを以下に置いておきます.

スタイル
更新日
ダウンロード
実験レポート(BibTeX利用バージョン)
2006.04.11

BibTeXに関する詳細な説明は,新堂さんのかかれたHPを参照すると良い.

BibTeXの簡単な形式例を以下に示します.

%書籍 Bookの例
@book{okumura,
author ="奥村",
title = "LATEX2ε 美文書作成入門",
publisher ="技術評論社",
year = "2000"}

%Web上のURLの例
@electronic{watanbe-ulr,
title = "{TeX}を使用したレポート作成に関する{HP} \\ \url{
http://sys.ci.ritsumei.ac.jp/~sin/lecture/}",
url = "http://sys.ci.ritsumei.ac.jp/~sin/lecture/"}

%論文(ジャーナル)の例
@article{watanabe05-mps,
author = {渡邉 真也 and 榊原 一紀},
title = {単目的最適化問題における多目的化とその有効性},
journal = {情報処理学会論文誌「数理モデル化と応用」Vol.46,No.SIG 17 (TOM 13号)},
pages = {70-79},
year = {2005}}

%プロシーリング(国際会議)などの例
@inproceedings{watanabe05-cec,
author = {S.Watanabe and K.Sakakibara},
title = {Multi-objective approaches in a single-objective optimization environment},
booktitle = {Proceedings of the 2005 IEEE Congress on Evolutionary Computation (CEC'2005)},
pages = {1714--1721},
year = {2005}}

[注意]

BibTeXを使用した場合には,下記のようにplatex コマンドだけでなくjbibtex コマンドも併用しなければ,上手く参考文献が出力されない.

#######platex TeXファイル(.tex) 1回目
%platex sample_bib_euc.tex

#######jbibtex Bibファイル
%jbibtex sample_euc

#######platex TeXファイル(.tex) 2回目
%platex sample_bib_euc.tex

#######platex TeXファイル(.tex) 3回目
%platex sample_bib_euc.tex

1回目のplatex の実行により,TeXファイル中において参照している文献のリストを作成している.

つづくjbibtexの実行によりBibファイルの内容からTeXファイル中で引用している文献リストが書き出される(.bblファイルの作成).

書き出された内容(bblファイル)をDVIファイルへ反映させるために2回目,3回目のplatexコンパイルを行う.